Logisticsとは元々軍事用語で兵站という意味を持っています。日本語でわかりやすい言葉に置き換えるとすれば【補給】でしょうか。これは、戦地において物資の調達、保管、供給を絶え間なく流動させ、前線への物資、食料の供給を止めない戦略を意味します。

歴史上でこのLogisticsに秀でた才能を発揮した人物として、中国、漢王朝を開いた劉邦に仕えた蕭何（しょうか）という人物の名が挙がります。蕭何は数多くの戦いの中でも物資や兵糧を途絶えさせたことが無いと言われ、厚い信頼を得ていました。劉邦には三傑と呼ばれる優れた配下がいました。軍師の張良、天才的な軍略を用いる韓信、そして蕭何です。

戦の中で目覚ましい活躍を見せる張良と韓信に比べ、蕭何はまさに裏方のイメージですが、劉邦は蕭何を信頼し重用したそうです。つまりそれは、兵站　Logisticsの重要性をよく理解していたということでしょう。

現代において、Logisticsは経営の重要な戦略となっています。原料調達からエンドユーザーへのデリバリーまでを有機的に繋ぎ、全工程を視野において効率化、最適化を進めるサプライチェーンマネジメント。このサプライチェーンに全行程的に関わり、動かしていくのがLogisticsであり、たとえ販売が成功しようとも、Logisticsが整っていなければスムーズに供給することが出来ません。反対に、Logisticsが整備されているがゆえに成立していく契約や販路というのも存在します。

遥か昔から現代に至るまでその重要性が変わることの無い【Logistics】、そう考えると物流業界というのは非常にロマンがある業界だと、個人的には思うのです。

マーケティング本部

櫻井　正悟