コラム
国内物流の根幹を支えるトラック輸送。その重要性は計り知れず、日本の貨物輸送量(トンベース)の約9割を占めると言われています。しかし、一口に「トラック」と言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれに得意とする輸送形態があります。
物流管理においては、「どのような荷物を、どのような状況で、どこへ運ぶのか」を見極めることが、物流コストの削減、効率化のはじめの一歩となります。
多種多様なトラックの中から、主要な車両タイプとその最適な活用術を、企業の物流担当者の皆様に向けて分かりやすく解説します。
Contents
バン車とは?一般貨物で最も使われる密閉型トラック
特徴:荷台が箱型で密閉されている最も一般的なトラックです。様々なサイズがあり、冷蔵・冷凍機能を持つものもあります。
適した輸送:
- 一般貨物:雑貨、食品(常温品)、衣料品、日用品など、幅広い品目に対応
- 精密機器/高価品:外部からの衝撃や雨風、塵埃、盗難から貨物を保護
- 複数拠点へのルート配送:積み降ろしの際に荷物が風雨にさらされにくい
その理由:密閉構造により、天候や外部環境の影響をほとんど受けずに輸送が可能です。セキュリティ面でも優れており、大切な貨物を安全に目的地まで届けます。
冷凍冷蔵車とは?食品・医薬品輸送に欠かせない温度管理車両
特徴:荷台内部が特殊な断熱材で覆われ、冷却・加温装置(冷凍機)を備えたトラックです。設定した温度(冷凍帯:マイナス20℃、冷蔵帯:0℃~10℃程度、チルド帯:0℃~3℃程度)を一定に保ちながら輸送が可能です。
※温度帯は目安であり、製品や契約条件により異なります
適した輸送:
- 生鮮食品・冷凍食品:肉、魚、野菜、乳製品、加工食品、惣菜など、鮮度維持が必須な品目
- 医薬品・医療用製品:ワクチン、血液製剤、治験薬など、温度変化で品質が損なわれる可能性のあるデリケートな製品
- 化学品・電子部品:特定の温度環境下で安定性を保つ必要がある原料や精密部品
- 花卉:鮮度を保ち、高品質な状態で輸送したい生花
その理由:温度管理が徹底されることで、輸送中の品質劣化を防ぎ、食品なら鮮度や風味を、医薬品なら効能を確実に維持します。これにより、お客様は物流における品質管理リスクを大幅に低減でき、フードロス削減や国際的なコールドチェーン基準への対応も可能になります。
ウイング車とは?パレット貨物に強い高効率トラック
特徴:荷台の左右の側面が、鳥の翼のように大きく開閉するタイプのトラックです。
適した輸送:
- パレット積み貨物:フォークリフトによる側面からの効率的な積み降ろしが必要な貨物
- 大量・嵩張る貨物:荷物のサイズが大きく、後方からの積み降ろしが難しいケース
- 物流センター間の幹線輸送:荷役時間を大幅に短縮し、回転率を高めたい場合
その理由:側面が完全に開くため、フォークリフトを使い、荷台の奥までスムーズに積み降ろしができます。これにより、作業時間が短縮され、物流拠点での滞留時間の削減につながります。
平ボディとは?長尺物・重量物輸送に適したトラック
特徴:荷台が平らで、屋根や壁がなく開放的なトラックです。荷物はシートやロープ、ワイヤーなどで固定します。
適した輸送:
- 建設資材:鉄骨、木材、ブロック、足場材など、長尺物や重量物
- 大型機械・設備:クレーンやフォークリフトでの上部・側面からの積み降ろしが必要なもの
- 形状が不揃いな貨物:バン車やウイング車では積載が難しい特殊な形状の荷物
その理由:荷台の構造がシンプルなため、荷物のサイズや形状に柔軟に対応できます。特に、工事現場などでクレーンによる荷役が前提となる場合、平ボディは最も効率的です。
ユニック車(クレーン付きトラック)とは?現場荷役を効率化
特徴:平ボディの荷台に小型のクレーンが搭載されたトラックです。「クレーン付きトラック」とも呼ばれます。
適した輸送:
- 重量物の現場搬入・搬出:クレーン設備がない場所での重量物(建設機械、鋼材、コンクリート製品など)の積み降ろし
- プレハブ工材・足場材の運搬と設置:現場でそのまま吊り上げて荷役作業を行いたい場合
- 自力での荷役が困難な貨物:人力では動かせない、フォークリフトも使えない場所での作業
その理由:荷役のための別のクレーン車やフォークリフトを別途手配する必要がなく、トラック一台で輸送から積み降ろしまで完結できます。これにより、時間とコストを大幅に削減し、現場作業の効率化に貢献します。
トレーラーとは?大量・長距離輸送のスペシャリスト
特徴:エンジンを持つ「トラクタ(牽引車)」と、荷台部分の「トレーラー(被牽引車/シャーシ)」が分離できる構造の車両です。様々な種類のシャーシ(海上コンテナ用、バルク輸送用など)を連結できます。
適した輸送:
- 大量輸送・長距離輸送:一度に多くの貨物を運ぶことで、輸送効率とコストパフォーマンスを最大化
- 海上コンテナ輸送:国内の港からお客様の倉庫まで、国際物流とシームレスに連携
- 大型重量物:分割して運ぶことができない巨大な機械や構造物の輸送
その理由:牽引車と被牽引車を切り離せるため、被牽引車を積み降ろし中に、牽引車が別のトレーラーを牽引して運行を続けることができ、高い稼働率を実現します。
軽貨物車とは?ラストワンマイル配送を担う小型トラック
特徴:軽自動車をベースとした小型の貨物車両です。小回りが利き、狭い道や住宅街へのアクセスに優れています。
適した輸送:
- 小口配送・ルート配送:宅配便や企業への緊急配送、少量多頻度配送
- ラストワンマイル(最終顧客までの区間)輸送:物流拠点から最終顧客への配送
- 時間指定厳守の配送:交通状況に左右されにくく、時間の精度が高い
その理由:小型であるため、都市部の狭い道路や住宅街でもスムーズに走行でき、細かな時間指定にも柔軟に対応可能です。ガソリン代などのランニングコストも比較的低く抑えられ、小回りの利く配送で、お客様の急な要望にも迅速に対応します。また、緊急配送を請け負っている場合も多く、突発的な輸送が発生した際に対応できることも特徴です。
用途にあったトラック選びが物流改善のカギ
今回ご紹介したように、トラックにはそれぞれの特性と強みがあります。物流ニーズに合わせて最適な車両を選ぶことは、輸送コストの最適化はもちろん、リードタイムの短縮、荷物破損リスクの低減、そして最終的には顧客満足度の向上に直結します。
以下のURLから、各トラックの荷台サイズやより詳細な特徴を記載した車両選定にお役立ていただける資料をご用意しています。
ぜひ日常の業務でご活用ください。