株式会社丸山運送|Maruyama the 080
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物流コラムVol.26  「経済連携協定発効への変遷 (上)」

我々のように日常的に通関業務を行っていると、申告業務を効率的に行う為に商品毎のHSコードとそれに伴う税率の把握が必要とされます。輸入商品は適用される税率が輸出国によって基本税率、協定税率、特恵税率、暫定税率に分類されますが、ある程度の把握は可能でした。

しかし、過去20年で21もの国や地域との経済連携協定が次々に発効され、4つの税率の他に個別の協定毎の税率が増え、輸出国によっては有税だったものが無税になる商品や、今後20年掛かって段階的に無税になる商品もあり、もはや税率を把握する事は困難になってきました。実際、輸入の税番決定に使用している実行関税率表は分厚い資料でしたが、さらに以前に比べ3割ほど厚くなったと感じているのは私だけではないと思います。

では、なぜこのような状況になったのか、貿易促進を目的とした国際協定の変遷について改めて振り返ってみたいと思います。

1929年の世界恐慌の影響を受けて各国は保護主義貿易政策を取り、イギリスは自治領内で貿易圏を構成、アメリカは輸入品に高関税を課し、1932年の全世界の貿易額は1929年の4割以下にまで減少しておりました。

そのような中、日本・イタリア・ドイツなどの低資源国が帝国主義的侵略を進めた事が、第二次世界大戦の原因となった事は周知の通りです。

そこで、この反省から戦勝国を中心に1947年に「関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」が発行され、日本も1956年にGATT加盟を果たします。

GATTの理念は無差別とされ、つまり最恵国待遇(ある国に最高の貿易条件を与えた場合、他の国にも同じ条件を与えるというもの)と内国民待遇(輸入品と国内で生産された製品を同じように扱うという事)を大原則とするものです。

また、これまで8度のGATTラウンド交渉が行われ、多くの品目について関税引き下げと輸入量制限などの非関税障壁削減の合意が為され、実際に1945年に40~50%であった先進国の関税率は3%前後にまで引き下げられました。GATT35条ルールで大変な時期もあった中、ドイツや日本は貿易により驚異的な経済的発展を遂げた一方、先進国と発展途上国との格差が広がり、不利を考慮して途上国に対し有利に関税を設定する「特恵関税」が1971年に開始されました。その後、徐々にサービス貿易や知的所有権、貿易摩擦など問題が拡大し、一般協定であるGATTの枠組みでは解決できない問題に対し、より強力な紛争解決機能を持つ国際的な貿易機関が求められた事もあり1995年に「世界貿易機関」(WTO)が設立しました。(下に続く)

国際物流本部 甲斐 愛一朗

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